マニュアル: ツクールモードの UI(画面構成と操作方法)

このマニュアルについて

このマニュアルでは、ツクールモード(Maker モード)の画面がどう構成されていて、どの作業をどこから始めるのかを解説します。ACTION GAME MAKER は Godot エディタをベースにしていますが、ツクールモードでは「マップを作る」「オブジェクトを作る」「素材を整理する」といった作業ごとに画面そのものを切り替える作りになっています。ノードやシーンの知識を前提にせず、目的の画面へ着いて手を動かせるようにするための仕組みです。

ツクールモードと Godot モードの関係

ACTION GAME MAKER には 2 つの UI モードがあります。

モード 何が違うか
ツクールモード(既定) 作業ごとの専用ビューに分かれ、ドック・メニュー・インスペクターが用途別に絞られます
Godot モード Godot 標準の画面構成(2D / 3D / Script のビュー、全ドック表示)になります

切り替えの場所は 2 つです。

  • ランチャー(プロジェクト一覧)右上のプルダウン
  • エディタの「設定」メニュー →「エディター設定」→「ツクール/Godot モード切り替え」

どちらからでも再起動は不要です。 押した時点でメニュー・ドック・ツールバーの構成が組み直されます。ただし配色(テーマ)だけは作り直しません。 Godot 標準のテーマプリセットを使っている場合、ツクールモードが行う暖色寄せが切り替え直後には反映されないので、その場合だけ「配色の反映には再起動が必要です」と通知が出ます。AGM テーマプリセットを選んでいれば配色まで即座に揃います。

ツクールモードでは Godot 標準の 2D / 3D / Script ボタンは出ません。 逆に Godot モードではビュー切替タブが 1 つも出ません(Godot モードから一部の機能へ行くには後述の「Maker ウィンドウ」を使います)。


画面全体の見取り図

上から順に、次の 4 段でできています。

位置 中身
タイトルバー メニュー(シーン / プロジェクト / 設定 / ヘルプ)、「データベース」ボタン、ビュー切替タブ、テストプレイのボタン、右端の「MAKER」表示
シーン名の帯 / シーンタブ ビューによって出方が変わります(後述)
ドック列 + 中央の作業領域 ビューごとに構成が切り替わります
下部パネル ビューごとに必要なタブだけが出ます

メニューと「データベース」ボタンは 1 枚の背景バーにまとめられています。 メニュー項目と同じ見た目・同じホバーで並ぶので、データベースはメニューの仲間として扱えます。

右端の「MAKER」表示は、いまツクールモードであることの目印です。 Godot モードではここがレンダリング方式のプルダウンに戻ります。


ビューの切り替え

タイトルバーのタブで、作業する画面ごと切り替えます。

タブ 何をする画面か
マップ マップ(とメニュー画面)にタイルや要素を置く
オブジェクト キャラクターや弾などのオブジェクトを作る
詳細編集 Godot 標準に近い画面。Godot 用のノードを直接足したいときに使う
シーン遷移 マップ同士のつながりをグラフで組む
素材管理 画像・音などのファイルを整理する

ヴィジュアルスクリプトの編集もビューですが、タブには出ません。 インスペクター(またはオブジェクト制作ビューの固定ツールバー)の「ヴィジュアルスクリプトを編集」から入り、左上の「← オブジェクトに戻る」で元の画面へ帰ります。戻り先は入ったときの画面が記憶されているので、マップ制作から入ればマップ制作へ、詳細編集から入れば詳細編集へ戻ります。

画面が狭いとき(表示スケールが高いとき)は、タブが自動でアイコンだけになります。 名前はマウスを乗せると出ます。

ビューごとに覚えていること

  • ドックの開閉状態と列の幅を、ビューごとに覚えます。マップ制作で狭めた列幅がオブジェクト制作に持ち込まれることはありません。
  • 最後に開いていたビューをプロジェクトごとに覚え、次の起動時にそこから始まります。
  • マップ制作で開いていたマップオブジェクト制作で開いていたオブジェクトを別々に覚えます。ビューを往復しても、それぞれ最後に触っていたものが戻ります。

マップ制作ビュー

マップにタイルと要素を置く画面です。Godot の「シーン」ドックの代わりに、専用のドックを使います。

画面の構成

場所 中身
左列(タブ) マップ / オブジェクト / 画像 の 3 つの一覧
その右の列 マップレイヤー ドック
中央 2D ビューポート(選択・移動・回転のツールバー付き)
右列 インスペクター
下部パネル タイルパレット

左列の 3 つのタブはアイコンだけで並びます。 名前まで出すと既定の列幅(170px)に 3 つ入らず、「1 タブ + 左右矢印」に切り替わってタブがあること自体に気づけなくなるためです。名前はマウスを乗せると出ます。

それぞれの一覧の役割

  • マップ: 編集するマップを選びます(ダブルクリックで切り替え)。「+ 新規作成」からマップ / メニューの種類と名前を決めて作れます。作成したシーンは保存先フォルダへ自動保存されます。
  • オブジェクト: 配置するオブジェクトを選び、ビューポートへドラッグして置きます。 「+ 新規作成」からオブジェクトを作れます。
  • 画像: 画像を選んで、選択中のレイヤーへ配置します(ダブルクリック、またはビューポートへドラッグ)。お気に入り(☆)・色ラベル・検索・「このシーンで使用中」で絞り込めます。TileMapLayer を選んでいるときは、右クリックからその画像をタイルパレットへ取り込めます。

マップレイヤードック

マップの構造(背景・視差レイヤー・タイルマップ・UI レイヤー)を一覧し、選んだレイヤーの子として要素を追加します。マップ制作ビューには「シーン」ドックが無いため、ノードを足す入口はここだけです。

  • 右クリックから、要素を別のレイヤーへ移動したり、グループにまとめることができます。
  • 要素のコピー & 貼り付けに対応し、折りたたみ状態も覚えます。
  • メニューシーン(MenuScene)もこのドックで編集します。ルート直下の CanvasLayer がレイヤーとして並び、追加できる要素はメニュー用のものに入れ替わります。

上部の帯

マップ制作ビューでは、シーンタブの代わりにいま編集しているシーンの名前と保存ボタンだけの帯が出ます。タブを増やす操作(新しいシーンを開く・閉じる)を意識せずに済ませるためです。


オブジェクト制作ビュー

キャラクターや弾などを作る画面です。標準のドックはすべて非表示になり、中央の専用パネルが編集を受け持ちます(オブジェクトの切り替えだけ「オブジェクト一覧」ドックで行います)。

3 ペインの構成

中身
オブジェクト名・保存ボタン・名前変更ボタンと、要素リスト(スプライト、判定、変数設定など)
中央 プレビュー / スプライトアニメ / 判定アニメ のタブ
インスペクター(上部に固定ツールバー)

アニメーション編集のタブでは中央を広く使うため、左列は自動で隠れます。

固定ツールバーの 4 ボタン

インスペクターの上に、スクロールや「高度な設定」の開閉に関係なく常に押せる 4 つのボタンが並びます。

ボタン 開くもの
ヴィジュアルスクリプトを編集 ヴィジュアルスクリプトビュー
変数・スイッチ設定 変数・スイッチ設定ウィンドウ
コリジョン相性チェック コリジョン相性チェックウィンドウ
アニメーションセットを編集 アニメーションセットの編集

編集しているオブジェクトの種類で構成が変わります。 エフェクトはスプライトアニメタブのみ、パーティクルはプレビュータブのみになり、この固定ツールバーも出ません。


ヴィジュアルスクリプトビュー

ステートマシンの編集だけに絞った画面です。インスペクターと下部パネル以外のドックは出ません(下部パネルも「モジュールリスト」タブだけに絞られます)。

  • ルートだけでなく、子ノードのスクリプトも編集できます。
  • レイヤータブでレイヤーを切り替えます。
  • ステートは背景色で見分けられます。
  • 左上の「← オブジェクトに戻る」で、入ってきた画面とシーンの両方が元に戻ります。

シーン遷移ビュー

マップ同士のつながりをグラフで組む画面です。中央のグラフエディタが編集を担うので、左列の「マップ一覧」とインスペクターだけが残ります。


素材管理ビュー

画像・音などのファイルを整理する画面です。種別で絞ったフォルダではなく、プロジェクトの実フォルダそのものを扱います。

場所 中身
フォルダの一覧(カテゴリ)
中央 選んだフォルダの中身(種別で絞らずそのまま表示)
プレビュー(画像 / フォント / 音の波形再生)
右列ドック インポート設定(Import ドックのみ残ります)
  • 素材はドラッグ & ドロップでも取り込めます。
  • 一覧の複数選択でまとめて仕分けられます。左のフォルダへドロップすると、そのフォルダ直下への移動になります。
  • 上部のボタンから「素材を追加」「新しいフォルダ」「公式素材をインポート」「公式システムの管理」「DLC 素材を取り込む」へ行けます。
  • 音のフォルダを選んでいるときだけ、「サウンドデータベースを開く」「サウンドデータベースに一括登録」が出ます。

詳細編集ビュー

Godot 標準に近い配置の画面です。シーンドック・ノードドック・ファイルシステム・インポート・履歴・下部パネル・インスペクターが並びます。ツクールモードのまま、Godot 用のノードを直接足したり細かく触りたいときに使います。


メニューの構成

ツクールモードでは、よく使う項目だけを前に出し、残りは「高度な設定」サブメニューへまとめています。 項目自体は消えていないので、いつでも辿れます。

メニュー 前に出ている項目 「高度な設定」に入っているもの
シーン シーンを保存 / 名前を付けて保存 / 終了 新規・開く・すべて保存・クイックオープン・書き出し・元に戻す・やり直す・閉じる など
プロジェクト 書き出し / プロジェクトを再読み込み / 一覧へ戻る ファイル内検索・バージョン管理・ZIP・Android・ユーザーデータフォルダ・ツール
設定 基本設定 / 入力設定 「プロジェクト設定」「エディター設定」の 2 つのサブメニュー(モード切り替えもここ)

「基本設定」

Godot のエディタ設定・プロジェクト設定は項目が膨大なので、ゲーム制作でよく触るものだけを集めた専用ウィンドウを用意しています。「エディター」「プロジェクト」の 2 タブで、検索もできます。

主なもの:

  • エディタの言語、テーマプリセット文字サイズ、表示スケール、AGMaker ボタンカラー
  • ヴィジュアルスクリプトエディタの設定(現在のシーンの自動反映、ミニマップ、グリッド)
  • ゲーム側のウィンドウ設定、マウスカーソル、起動時の画面
  • セーブ / ロード、プレイヤー、ローディングシーン(プロジェクト内の一覧から選べます)
  • ビュー種別(サイドビュー / トップビュー)、既定のタイルサイズ、既定のカメラ倍率
  • タイル効果の名前
  • ツクールモードの素材一覧が見る場所・新規作成の保存先

インスペクターの簡略化

ツクールモードでは、インスペクターに出る項目を絞っています。

「高度な設定」

Godot の継承元クラスから来る項目は、インスペクターの一番下にある「高度な設定」ボタンの下にまとめられます。ボタンを押すと出てきます。開閉の状態は編集対象ごとにエディタ実行中だけ覚えるもので、シーンには保存されません。

なお、インスペクターの各項目は既定で畳まれた状態で開きます。

プロパティ表示設定

「高度な設定」の区切りとは別に、プロパティを 1 つずつ隠すこともできます。

  1. インスペクターの何もない場所を右クリック(またはプロパティを右クリック)します。
  2. プロパティ表示設定…」を選びます。
  3. 隠したい項目をクリックまたはドラッグで選びます(選んだ項目は暗く表示されます)。
  4. 「適用」で確定します。
  • このウィンドウの中では、「高度な設定」で隠れる項目も含めて全部が見えます。
  • 「デフォルトに戻す」で、そのクラスの設定をまるごと初期状態へ戻せます(隠した項目の復元)。
  • 設定はクラスごとで、エディタ設定に保存されます。

主要機能ボタン

ヴィジュアルスクリプト編集・アニメーションセット編集・変数・スイッチ設定・コリジョン相性チェックの入口は、インスペクターの中に同じ見た目のボタンとして差し込まれます。 オブジェクト制作ビューではこれらが固定ツールバーへ出るため、インスペクター側には重複して出ません。


シーンタブの扱い

ツクールモードでは、開いているシーンを「マップ 1 枚 + オブジェクト 1 枚」に保ちます。 一覧からダブルクリックで切り替えるたびにタブが増えないよう、同じ枠の古いタブだけを閉じる作りです(未保存のタブは閉じません)。

ビューによってタブの出方も変わります。

ビュー シーンタブ
マップ制作 出ません(代わりにシーン名 + 保存ボタンの帯)
オブジェクト制作 / ヴィジュアルスクリプト / シーン遷移 / 素材管理 出ません
詳細編集 通常のタブが出ます

テーマと文字サイズ

「設定」→「基本設定」から選べます。

  • AGM テーマプリセット 6 種(ライト 3 種・ダーク 3 種)
  • 文字サイズのプルダウン

ランチャーの初期設定ウィザード(初回起動時)からも選べます。AGM プリセットを選んでいると、ツクール / Godot モードの切り替えで配色も再起動なしに追従します。


画面操作チュートリアル

初回起動時に、専用のチュートリアルプロジェクトを開いて画面の見方を案内します。説明している場所だけを明るく残して他を暗転させるので、順番になぞるだけでマップ制作・オブジェクト制作・シーン遷移・素材管理の 4 ビューを一周できます。ランチャーの「チュートリアル」ボタンからも始められます。


Godot モードからツクール機能を使う(Maker ウィンドウ)

Godot モードで作業しているときは、タイトルバーの「Maker」ボタンから開閉できるウィンドウが出ます。

  • タブは「オブジェクト制作」「素材管理」の 2 つです。
  • ウィンドウの中だけインスペクターの簡略化が効きます。メインウィンドウのインスペクターは Godot 標準のままです。
  • マップ制作は Godot モードのビューとしては用意されていません。Godot 標準の 2D + TileMap で編集します。

実用例

キャラクターを 1 体作って、マップに置くまで

  1. オブジェクト」タブへ切り替えます。
  2. 左の「オブジェクト一覧」の「+ 新規作成」で、テンプレートとオブジェクトグループ・コリジョンの役割を選んで作ります。
  3. 中央の「スプライトアニメ」タブで見た目を作り、固定ツールバーの「ヴィジュアルスクリプトを編集」で動きを組みます。
  4. ← オブジェクトに戻る」で戻り、左列ヘッダーの保存ボタンで保存します。
  5. マップ」タブへ切り替え、左列の「オブジェクト」タブからビューポートへドラッグして置きます。

Godot 用のノードを足したい

  1. 詳細編集」タブへ切り替えます。標準のシーンドックとノードドックが出ます。
  2. 通常の Godot と同じ手順でノードを追加します。
  3. 終わったら元のタブへ戻ります。開いていたシーンは各ビューが別々に覚えているので、マップ制作へ戻ってもマップが写っています。

インスペクターに使わない項目が多い

  1. その項目を右クリックして「プロパティ表示設定…」を開きます。
  2. 隠したい項目をドラッグで選んで「適用」します。
  3. やり過ぎたら、同じウィンドウの「デフォルトに戻す」でそのクラスぶんを戻せます。

注意点

  • ツクールモードでは Godot 標準の 2D / 3D / Script ボタンは出ません。 Godot 標準の画面で作業したい場合はモードを切り替えてください(項目自体は「詳細編集」ビューでもほとんど触れます)。
  • モード切り替えに再起動は不要ですが、配色だけは例外です。 Godot 標準のテーマプリセットを使っている場合、配色は次の起動で揃います。AGM プリセットを選んでおけば再起動なしで揃います。
  • マップ制作ビューには「シーン」ドックがありません。 ノードを足す入口は「マップレイヤー」ドックだけです。
  • 左列の 3 タブ(マップ / オブジェクト / 画像)はアイコンのみで表示されます。 名前はマウスを乗せて確認してください。並びは常に「マップ / オブジェクト / 画像」に固定されます。
  • ドックの開閉と列幅はビューごとに保存されます。 あるビューで閉じたドックが別のビューで開いていても異常ではありません。
  • ヴィジュアルスクリプトビューはタブに出ません。 インスペクターか固定ツールバーの「ヴィジュアルスクリプトを編集」から入ります。
  • 「高度な設定」に入った項目は消えたわけではありません。 メニューもインスペクターも、辿れば従来どおりの項目が全部あります。
  • プロパティ表示設定はクラス単位です。 同じクラスのオブジェクトすべてに効きます。
  • Godot モードの「Maker ウィンドウ」はメインウィンドウのインスペクターを書き換えません。 ウィンドウの中だけが簡略表示になります。