マニュアル: トップビューとサイドビューの設定の違い

マニュアル: トップビューとサイドビューの設定の違い

このマニュアルについて

このマニュアルでは、プロジェクト設定の「ビュー種別」(サイドビュー / トップビュー)で何が変わるのかを解説します。新規プロジェクトを作るときに選ぶ項目で、エディタに出る選択肢と新規作成物のひな形が視点に合わせて切り替わります。「見下ろしのはずなのにキャラクターが落ちていく」「置きたいノードが一覧に出ない」といったときに読んでください。

ビュー種別とは

種別 想定するゲーム
サイドビュー(既定) 横視点。重力で落ちる、ジャンプする
トップビュー 見下ろし視点。重力が無く、上下左右へ歩く

設定の場所は 2 つです。

  • 新規プロジェクト作成のダイアログ(ここで選ぶのが基本です)
  • エディタの「設定」→「基本設定」→「プロジェクト」タブ →「ビュー種別」

この設定は「エディタが出してくる選択肢」を切り替えるものです。 物理そのものを切り替えるスイッチではないので、あとから変えても、すでに作ったマップ・オブジェクト・プロジェクト設定はそのままです(詳しくは後述)。


新規プロジェクトを作るときの違い

作成時にビュー種別を選ぶと、次のものが視点に合わせて設定されます。

項目 サイドビュー トップビュー
重力(physics/2d/default_gravity) 980(下方向) 0
サンプルマップのレイヤー構成 背景(遠 / 近)+ベースタイル+装飾タイル+画面効果+UI 背景(遠 / 近)+床タイル+壁タイル+画面効果+UI
操作キーの既定値 共通(上下左右・ジャンプ等をまとめて自動設定) 共通

重力はここで決まります。 これが「見下ろしのはずなのにキャラクターが落ちる」の正体で、トップビューを選ばずに作ったプロジェクトは重力 980 のままです。後からビュー種別だけ変えても重力は変わらないので、「設定」→「基本設定」→「プロジェクト」から重力を 0 にしてください。

タイルレイヤーの名前と役割が違います。 横視点は「ベース+装飾」の重ね方、見下ろしは「床+壁」の重ね方が既定です。


マップ作りの違い

新規マップのひな形

「マップ一覧」の「+ 新規作成」で作られるマップは、ビュー種別ごとに用意されたひな形から作られます。背景レイヤーの重なり順と視差があらかじめ入った状態で始まります。

置ける要素

マップレイヤードックの追加メニューは、ビュー種別で一部が入れ替わります。

要素 出るビュー
すり抜け床 サイドビューのみ(見下ろしでは意味がないため)
水面 両方に出ますが中身が別のノードです(横視点用 / 見下ろし用)

水面は実装が視点ごとに分かれています。 横視点用は水面を鏡にして映り込みを作りますが、見下ろしでは鏡映の軸が定義できないため、波紋・沈み込み・映り込みを別の方式で作る専用ノードになっています。ラベルはどちらも「水面」なので、見えている項目がそのプロジェクト用のものです。

他の要素(ポータル、コース、強制移動エリア、ギミック、ラベルなど)は両方のビューに出ます。

環境テンプレート

マップの背景・光源・エフェクトをまとめたプリセットは、現在のビュー種別に合うものだけが一覧に出ます。 横視点用のプリセットは見下ろしのプロジェクトには出ません(どちらでも使えるものは両方に出ます)。

タイルの自動判定

オートタイルの並び(どのコマがどの継ぎ目か)の既定形式が変わります。

ビュー種別 既定のオートタイル形式
サイドビュー アクツク形式
トップビュー RPG ツクール形式

判定は既定値で、タイルパレット設定から手動で変えられます。 素材の形式に合わせて選んでください。


オブジェクト作りの違い

オブジェクト生成テンプレート

オブジェクト作成ダイアログのテンプレート一覧は、ビュー種別で絞り込まれます。 「トップビュー用のプレイヤー」「トップビュー用の遠距離エネミー」などは、見下ろしのプロジェクトのときだけ出ます。

ダイアログの中にもビューの切り替えプルダウンがあります。 初期値はプロジェクト設定の値ですが、ここで切り替えればもう一方のビュー向けテンプレートも作れます。 横視点のプロジェクトに見下ろしのミニゲームを入れたい場合などに使えます。

移動キーの既定設定

テンプレートから作るときに移動キーを自動設定すると、設定される内容が変わります。

ビュー種別 自動設定される移動キー
サイドビュー 左・右
トップビュー 上・下・左・右

アニメーションの既定の向き

スプライトアニメで新しくアニメーションを作ったときに割り当てられる「向き」が変わります。

ビュー種別 既定の向き
サイドビュー 左・右(左右反転前提)
トップビュー 8 方向すべて

どちらも自動左右反転(Auto Y Flip)が前提です。 3×3 グリッドから後で変えられます。

テンプレートの取り込み

スプライトアニメタブの「テンプレートから読み込み」は、どちらのプロジェクトでも両方の形式を選べます。

メニュー項目 想定
トップビュー用(RPG ツクール形式) 4 方向 × 歩く / 走る / 待機 / 停止(と攻撃)
サイドビュー用 横視点用の行構成、左右反転付き

公式素材の取り込み

公式素材のカタログも、ビューに合う素材だけが一覧に出ます。 こちらもダイアログ内のプルダウンで切り替えられます。


ヴィジュアルスクリプト・実行時の違い

実行時の挙動がビュー種別で変わるのは、経路探索まわりだけです。 それ以外は視点に関係なく同じように動きます。

経路探索(壁を避ける)は見下ろし専用

機能 出る条件
移動テンプレート「近くのオブジェクトへ移動」「マウスカーソルに追従」の**「経路探索で壁を避ける」** トップビューのみ表示
「オブジェクトを移動」の**「壁を避ける」** トップビューのみ表示(方向指定のときは除く)

横視点では欄自体が出ません。 経路探索はタイルのマスを辿る仕組みなので、ジャンプや落下がある横視点では成立しないためです。

トップビューでも、壁判定を無視する設定のときは経路探索は働きません。 経路が取れなかったときは、従来どおり直線で近づきます。

ノックバックの方向指定

「自身をノックバック」の「ノックバック方向の指定」は、どちらのビューでも 3 種類すべて選べます。 名前は付いていませんが、想定は次のとおりです。

選択肢 想定
360度 トップビュー
左右 / 打ち上げ サイドビュー

プロジェクト設定で自動的に切り替わるわけではないので、視点に合ったものを選んでください。

スコアドロップの落ち方

スコアドロップ(コイン・経験値オーブ)は、自前の「落ち方」設定を持っています。

選択肢 内容
自動 プロジェクト設定のビュー種別に従います(既定)
横視点 重力で Y 方向に落ち、タイルの当たり判定を床にします
見下ろし 高さ方向に落ち、高さ 0 を地面にします

「自動」のままにしておけば、プロジェクトの視点に合った落ち方になります。


あとからビュー種別を変えたとき

変わるのは「これから出てくる選択肢とひな形」だけです。

変わるもの 変わらないもの
マップレイヤードックに出る要素(すり抜け床・水面の種類) 重力(プロジェクト設定の値そのまま)
環境テンプレートの一覧 すでに置いたノード・作ったマップ
オブジェクト生成テンプレートの一覧と既定値 すでに作ったオブジェクトの移動キー・向き設定
オートタイル形式の既定値 すでに設定したタイル
「経路探索で壁を避ける」欄の表示 すでに保存された設定値(欄が隠れても値は保持されます)
新規マップのひな形 すでに作ったマップのレイヤー構成

途中で視点を変えるときは、少なくとも重力を手で直してください。 「設定」→「基本設定」→「プロジェクト」から変更できます。


実用例

見下ろしゲームを作り始める

  1. ランチャーの「新規プロジェクト」で、ビュー種別に「トップビュー」を選びます。
  2. 重力 0・床タイル+壁タイル構成のサンプルマップができます。
  3. オブジェクト作成ダイアログに、トップビュー用のプレイヤーと遠距離エネミーのテンプレートが出ます。
  4. 敵の移動テンプレートで「経路探索で壁を避ける」を使えます。

横視点で作り始めたプロジェクトを見下ろしにしたい

  1. 「設定」→「基本設定」→「プロジェクト」タブで「ビュー種別」を「トップビュー」にします。
  2. 同じ画面(または「高度な設定」のプロジェクト設定)で、重力を 0 にします。
  3. プレイヤーの「移動とジャンプ」の設定に、上下の移動キーを追加します。
  4. アニメーションの「向き」を、必要なぶんだけ 8 方向へ広げます。

すでに作ったマップのレイヤー構成は自動では変わりません。 床・壁のタイルレイヤーは手で足してください。

横視点のゲームに見下ろしのミニゲームを入れる

  1. プロジェクト設定はサイドビューのままにします。
  2. オブジェクト作成ダイアログのビュー切り替えプルダウンを「トップビュー」にして、見下ろし用のテンプレートからオブジェクトを作ります。
  3. 重力はプロジェクト全体で 1 つなので、そのマップのキャラクターは重力を打ち消す設定(重力の影響を受けない等)で作ります。

経路探索の欄はプロジェクト設定を見るので、この使い方では出ません。


注意点

  • 重力はビュー種別では切り替わりません。 新規プロジェクトを作るときにしか自動設定されないので、途中で視点を変えたときは手で直してください。
  • 既定はサイドビューです。 設定が無い・値が壊れている場合もサイドビューとして扱われます。
  • ビュー種別を変えても、すでに作ったものは変わりません。 マップのレイヤー構成・オブジェクトの移動キー・アニメーションの向き・タイルの設定はそのままです。
  • 「水面」は横視点と見下ろしで別のノードです。 ラベルが同じなので、プロジェクトの視点を変えると一覧に出る水面が入れ替わります。すでに置いた水面はそのまま残ります(種類は変わりません)。
  • 「すり抜け床」は横視点のときだけ一覧に出ます。
  • 「経路探索で壁を避ける」「壁を避ける」は見下ろしのときだけ欄が出ます。 欄が隠れても保存された値は消えません。
  • オートタイル形式は既定値が変わるだけです。 素材の形式が違う場合はタイルパレット設定で選び直してください。
  • オブジェクト生成テンプレートと公式素材の一覧は、ダイアログ内のプルダウンで切り替えられます。 プロジェクト設定を変えなくても、もう一方のビュー向けのものを使えます。
  • ノックバックの方向指定は自動では切り替わりません。 見下ろしなら「360度」、横視点なら「左右」か「打ち上げ」を選んでください。
  • スコアドロップの落ち方は「自動」にしておけばビュー種別に追従します。 明示的に指定した場合はプロジェクト設定より優先されます。
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