このマニュアルについて
このマニュアルでは、ACTION GAME MAKER の仮想パッドの使い方を解説します。仮想パッドは、iOS / Android に書き出したゲームを、画面上のボタンとスティックで遊べるようにする機能です。あわせて、仮想パッドの作り方・部品の置き方、ボタンを画面の隅に合わせるグループの使い方、照準や向き変更にスティックを使う方法を扱います。
仮想パッドでできること
仮想パッドの部品は、プロジェクトの入力アクション(up / A など)を押したことにします。 キーボードやゲームパッドで押したときと同じ扱いになるので、今あるビジュアルスクリプトの入力条件や移動設定を変えずに、そのままタッチで遊べます。
| やりたいこと | 仮想パッドでの扱い |
|---|---|
| スティックで移動する | 「仮想パッドのスティック」が上下左右のアクションを押します。引っぱった量でアナログ移動の速さも変わります |
| ボタンでジャンプ・攻撃する | 「仮想パッドのボタン」が、指定したアクション(A など)を押します |
| 移動しながらジャンプする | 複数の指で同時に操作できます |
| ダッシュなどを押しっぱなしにする | ボタンの種類を「トグル」にすると、タップごとに押しっぱなし / 離すが切り替わります |
| スティックで照準・向きを決める | 「ゲームパッドのスティックとして使う」で、左右のスティックとして扱えます |
| タップした位置へ弾を飛ばす | 仮想パッドの外をタップすると、マウスの代わりになります |
| 会話やムービーの間は隠す | ビジュアルスクリプトの「仮想パッドの表示」で表示 / 非表示を切り替えます |
| 2 人で 1 台の端末を持って遊ぶ | 部品ごとに「プレイヤー」(1P〜8P)を選べます |
部品は 2 種類あります。
| 追加メニューでの名前 | クラス | 動き |
|---|---|---|
| 仮想パッドのボタン | VirtualPadButton | 触れている間だけアクションを押します(プッシュ)。トグルにもできます |
| 仮想パッドのスティック | VirtualPadStick | 触れた位置からの引っぱり量と方向を、上下左右のアクションの強さとして押します |
仮想パッドを用意する
仮想パッドは、プロジェクトに1 つのシーンとして持ちます。ゲームを動かすと、そのシーンがゲーム画面の最前面に出続けます。 シーン遷移やメニューシーンの開閉では消えません。
作り方は 2 通りあります。どちらも、左下にスティック、右下に B・A ボタンを置いた既定の配置で作られます。
マップ制作ビューで作る
- 左列の「マップ」一覧で「+ 新規作成」を押します。
- 種類で「仮想パッド」を選び、名前を付けて作成します。
- 作った仮想パッドが開きます。まだ仮想パッドを設定していないプロジェクトなら、ゲームで使う仮想パッドにも自動で設定されます。
基本的な設定から作る
- 「基本的な設定」を開きます。
- 「仮想パッド」の項目にある「既定の配置で新規作成」を押します。
- 作成したシーンの場所が表示され、ゲームで使う仮想パッドに設定されます。
作った仮想パッドのシーンとボタン画像は、res://virtualpads に置かれます。
ゲームで使う仮想パッドと表示条件
「基本的な設定」の「仮想パッド」で、次の 2 つを選びます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| シーンのパス | ゲームで使う仮想パッドを、プロジェクト内の仮想パッドの一覧から選びます。「指定なし」なら仮想パッドは出ません |
| 表示 | タッチ端末のときだけ(既定)/ 常に表示 / 表示しない |
「タッチ端末のときだけ」では、PC で遊ぶときには出ません。PC のテストプレイで操作を試したいときは「常に表示」にします。 このときはマウスでタッチの代わりに操作できます(指 1 本ぶんの操作になります)。
部品を置く
仮想パッドを開くと、マップレイヤードックのいちばん上に「仮想パッド設定」の行が出ます。部品の追加は、この行や、後述のグループの行にある「+(要素を追加)」から行います。
| 要素 | 用途 |
|---|---|
| 仮想パッドのボタン | アクションを押すボタン |
| 仮想パッドのスティック | 上下左右を押すスティック |
| グループ | 部品をまとめて画面の隅に合わせる枠 |
| 画像 | 飾りの画像 |
| ラベル | ボタンの上に乗せる文字など |
追加した直後のボタンは丸い画像と、アクション A が入った状態で置かれます。スティックは 260×260 の大きさで置かれます。
グループで画面の隅に合わせる
仮想パッドのボタンは、置いた位置(座標)で表示されます。画面の大きさや縦横比が変わっても「右下」に付いてくる、ということはありません。 端末ごとに画面の比率が違っても隅に寄せておきたいときは、グループを使います。
- 「+」から「グループ」を追加します。
- グループの「レイアウト」の「アンカー設定」で「右下」などを選びます。
- グループの行の「+」から、ボタンを追加します(または、ボタンをグループの行へドラッグ&ドロップして中へ入れます)。
- ボタンの「位置」は、グループの中での位置になります。
既定の配置も、この形で作られています。
仮想パッド設定(VirtualPadScene)
├ LeftBottom(グループ・左下)
│ └ Stick(仮想パッドのスティック)
└ RightBottom(グループ・右下)
├ ButtonB(仮想パッドのボタン)
│ └ Label「B」
└ ButtonA(仮想パッドのボタン)
└ Label「A」
グループはタッチを受けないので、グループの大きさがボタンより広くても、裏の部品やゲーム画面への操作の邪魔にはなりません。
ノッチやホームインジケーターなどの「安全領域」には、仮想パッドがかからないよう自動で内側に寄せられます。 画面の端ぎりぎりに置いても、ノッチの裏に隠れることはありません。
ボタンの設定
ボタンを選ぶと、インスペクターに次の項目が並びます(「高度な設定」を開かなくても出ます)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレイヤー | どのプレイヤーの入力として押すか(1P〜8P、既定は 1P) |
| ボタンの種類 | プッシュ(触れている間だけ押す)/ トグル(タップごとに押しっぱなし / 離すを切り替える) |
| 通常時の画像 / 押下時の画像 | ボタンの見た目。押している間(トグル中)は押下時の画像になります |
| アクション | 押す入力アクション(A / B / start など) |
| シェイプ / ビットマスク | 触れたと判定する形。指定しなければ画像の矩形で判定します |
| なぞり押し | オンにすると、ほかの場所から指を滑らせてきたときにも押されます |
ボタンの大きさは画像の大きさで決まります。大きさを変えたいときは「スケール」で拡大・縮小するか、別の大きさの画像を指定します。
ボタンの上に文字を出したいときは、既定の配置のようにラベルをボタンの子に置きます。既定の配置のボタンを右クリックして「複製」(Ctrl+D)すると、ラベルごと増やせます。
トグルの使いどころ
トグルは、ダッシュやしゃがみのように「押しっぱなし」で効く操作を、指を離したまま続けたいときに使います。もう一度タップすると離した状態に戻ります。仮想パッドが隠れたとき(ローディング中など)は、トグルは自動で離した状態に戻ります。
スティックの設定
スティックを選ぶと、インスペクターに次の項目が並びます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレイヤー | どのプレイヤーの入力として押すか(1P〜8P、既定は 1P) |
| ゲームパッドのスティックとして使う | なし / 左スティック(既定)/ 右スティック。照準・向き変更に使います(後述) |
| 台座の画像 / 押下時の台座の画像 | スティックの台座(外側の丸)の見た目 |
| つまみの画像 / 押下時のつまみの画像 | 指で動かすつまみの見た目。押下時を指定しなければ通常時の画像を使います |
| スティックの動作 | 固定(いつも同じ場所)/ 動的(触れた所に出る)/ 追従(指を大きく動かすと台座がついてくる) |
| スティックの大きさ / つまみの大きさ | 台座とつまみの大きさ |
| デッドゾーンの割合 | 中心からこの割合までは入力なしとみなします |
| 最大入力の距離の割合 | 中心からこの割合まで引っぱると、入力が最大になります |
| 上 / 下 / 左 / 右のアクション | 押す入力アクション(既定は up / down / left / right) |
| 表示モード | 常に / 触れているとき(触れている間だけ表示) |
「動的」や「追従」のとき、スティックが反応する範囲は、スティックそのものの四角い範囲です。左下を広く受け付けたいときは、スティックを大きめにします(既定の配置では、左下のグループいっぱいに広げています)。
スティックは上下左右のアクションを引っぱった量に応じた強さで押します。移動設定のアナログ移動・自由角度の移動や、スティック入力の条件がそのまま反応します。
スティックで照準・向きを決める
弾の照準方向・投げる方向や、「角度を変更」の「スティック」は、上下左右のアクションではなくゲームパッドのスティックを直接読みます。仮想パッドのスティックを、ここにも効かせるのが「ゲームパッドのスティックとして使う」です。
- 既定の「左スティック」のままなら、移動に使うスティックの向きが、照準などの左スティックにも使われます。
- 実機のゲームパッドをつないでいるときは、大きく倒れている方が使われます。
**左で移動、右で照準(ツインスティック)**にしたいときは、次のようにします。
- 右下などにスティックをもう 1 つ追加します。
- 追加したスティックの「上 / 下 / 左 / 右のアクション」をすべて空欄にします(移動に使わないため)。
- 「ゲームパッドのスティックとして使う」を「右スティック」にします。
- 照準や「角度を変更」の側で、右スティックを使う設定にします。
仮想パッドの外のタッチ(マウスの代わり)
仮想パッドが出ている間は、仮想パッドの部品に触れていない指のタッチが、マウスの代わりになります。 マウスの位置と左クリックを読む機能(マウス操作の条件・マウスの位置の取得・マウス位置への照準・マウスでのオブジェクト移動など)が、そのタッチで動きます。
- スティックを押さえたまま、別の指で画面をタップすると、そのタップ位置がマウスの位置になります。
- 部品に触れて押し始めた指は、離すまで部品のものです。ボタンを押してもマウスの位置はボタンの上に移らず、左クリックにもなりません。
これで、「スティックで移動しながら、タップした位置へ弾を撃つ」といった操作が作れます。
ビジュアルスクリプトで表示を切り替える
アクション「仮想パッドの表示」(カテゴリ「ゲーム設定」)で、仮想パッドを表示 / 非表示にできます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 仮想パッドを表示 | オンで表示、オフで非表示 |
- 会話シーンやムービーの間に隠し、終わったら表示に戻す、という使い方を想定しています。
- 隠した状態は、シーン遷移をまたいで続きます。 戻すときは、もう一度このアクションで表示にします。
- 仮想パッドが設定されていないプロジェクトや、表示条件で出ていないとき(PC で「タッチ端末のときだけ」など)は、何もしません。
表示のされ方
| 場面 | 仮想パッド |
|---|---|
| ゲーム中・メニューシーンを開いている間 | 表示されます(メニューより手前に出ます) |
| 一時停止中 | 表示され、操作もできます |
| ローディングシーン・暗転・起動時のスプラッシュ | 隠れます |
| 「仮想パッドの表示」で非表示にしたあと | 隠れます(シーン遷移後も) |
注意点
- 仮想パッドのボタンは「アンカー」で隅に付いてきません。 画面の比率が変わっても隅に置きたいときは、グループに入れてグループのアンカーを設定してください。
- 1 つのボタンで押せるアクションは 1 つです。 「A と B の同時押し」や斜め入力のボタンは作れません。
- 部品ごとの表示 / 非表示の切り替えはできません。 ビジュアルスクリプトで切り替えられるのは、仮想パッド全体の表示だけです。
- PC のテストプレイで確かめるときは、「表示」を「常に表示」にしてください。「タッチ端末のときだけ」のままでは PC では出ません。書き出す前に戻すのを忘れないようにしてください。
- マウスでの代わりの操作は指 1 本ぶんなので、PC では「移動しながらジャンプ」のような同時操作は試せません。同時操作は実機やシミュレータで確かめてください。
- 仮想パッドとキーボード・ゲームパッドは同時に使えます。どちらかが押していれば「押されている」とみなされます。
- 仮想パッドのシーンのルートは「仮想パッドのシーン」(VirtualPadScene)である必要があります。マップ一覧や基本的な設定から作ったシーンはこの形になっています。ルートが別の種類のシーンは、マップ一覧や基本的な設定の一覧に出ません。